内田悟の八百屋のやさいごはん

コラム

八百屋のやさいごはん

素材を知る・素材を活かす〜【トマト塾】〜

トマト塾

料理だけでなく「ものづくり」に大切なことは素材を知ることではないでしょうか。便利な生活環境の中で私達は素材の由来などにあまり関心がなくなってしまっています。

キュウリやトマトが何処でどんな風に育っているのか、どんな特性を持っているのかなどを知ることは料理にはそれほど重要ではないと思っている人もいるかも知れません。

スーパーで野菜を買ってきて、まるでレトルト食品と同じようにレシピ通りに調理すれば良いと思っていたりしませんか?。レシピはあくまで見本でしかなく、当然ですが絶対的なものではありません。

じゃがいも一つを調理するにしても季節や状態によってレシピも変化するものです。内田さんは、いつも野菜を手に取って、まるで人と接する時のように野菜と会話し、一番適切な方法で調理します。どこの出身で、どんな環境で育ってきたのか?。そして今はどんな状態なのか?。そう言ったことすべてが内田さんが料理を始めるにあたってはとても大切なことなのです。

ですから内田さんの調理方法は季節や、その時々で変化します。予定していたメニューをその日の野菜を見て変更してしまうことさえあります。決まったレシピに縛られて、素材に合わない調理方法を無理矢理押し付けるのではなく、その時の最良の方法で野菜を調理してあげるのです。

しかしそれは知識だけでできることではありません。頭だけでなく、実際の体験を通してこそ初めて感覚的に身につけてゆくことができるものです。

「ものづくり」全般に言えることですが、数多くの素材を節操なく使えば良いものができると言うことはないですよね。場合によっては不必要なものを加えた為に素材の良さを台無しにしてしまうことさえあります。

特に良い素材にはシンプルな調理方法が一番合っていたりすることもありますが、実はそれが一番難しいことだったりします。厚化粧でごまかすのは簡単ですが、本当の美人には厚化粧があまり似合わないのと似ています。(^^; 料理も同様に別物に変えてしまうのではなく、素材の持ち味を生かしたものでなければ意味がない気がします。

野菜料理を極めるには、まずは1つの素材にこだわって深く突き詰めることは大切なことです。広く浅くではなく、1つの素材に絞って探求することは野菜全てに通じる調理法の手がかりにもなることでしょう。

4月14日(土)の調理実習【トマト塾】〜 野菜の目利き・扱い方・調理技 〜 は「八百屋のやさいごはん」では初めてとなる調理実習の企画です。内田さんが一番好きな野菜のトマトにこだわって、野菜料理の基本やレシピ本ではなかなか分からない内田さん独自の調理法などを実際に体験できる貴重なプログラムになっています。

是非この機会にご体験下さい。

(執筆:八百屋のやさいごはん/世話人2018.3.23)

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